館長の不定期記

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zoom RSS 「1000円高速」の生んだ不景気

<<   作成日時 : 2009/05/27 23:15   >>

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画像今回の主役?はこの写真。とは言っても右端E331系ではありません。真ん中のE257系500番台特急「さざなみ」です。余談ですが、左端にこっそり写っている113系にとどめを刺す車両、現在改造が進行中らしく…。

この「さざなみ」、E257系500番台がデビューする前くらいは平日に抜けがあることがあるものの1時間に1本、グリーン車付きの9両編成での運転でした。それが現在では。ひどい平日だと、東京発ベースでなんと8時間開くことも。一番本数の出るお盆の時期でさえ、時間帯によっては2時間間隔になってしまいました。原因として目されているのは東京湾アクアラインの存在。高速バスが便利になって特急の客が減り、減便に次ぐ減便という結果です。車両面でも現在主力のE257系500番台はグリーン車なしの5両編成。昔日の威厳は見る影もありません(もっともE257系500番台は2本連結した10両編成になることもあって、この場合むしろ輸送力は上がっていたりしますが)。

さらにさざなみに迫るアクアライン値下げ。さらなる縮小、本来の行き先である鹿島神宮に1往復しか来なくなった「あやめ」の二の舞はあってもおかしくないでしょう。

しかし、企業体力に余裕があるJRはまだいい。全国的に展開された「ETCで休日高速最高1000円」。その波を大きくかぶった九州の高速バスから、こんなニュースが入ってきました。Yahoo!掲載の27日付西日本新聞によると

西鉄社長 1000円高速に怒り バス乗客減、4時間遅れも

 西日本鉄道(福岡市)の竹島和幸社長は26日の定例会見で、自動料金収受システム(ETC)利用による高速道路料金割引について言及。大型連休中に九州の高速バス乗客数が約12%減少したうえ、渋滞により到着が4時間以上遅れる便もあったとして、怒りをにじませながら「1000円高速」施策を批判した。
「1000円高速」は高速バスから定時性とお客さんを奪い、何一つ好景気をもたらさなかったようです。

そして、瀬戸内海では最悪の事態も発生してしまうようです。Yahoo!掲載27日付毎日新聞(広島)によると

呉・松山フェリー:航路廃止へ“ETC特割”直撃、来月30日限りで業務停止 /広島

 呉市の阿賀港と松山市の堀江港を結ぶ呉・松山フェリー(本社・呉市阿賀南7)は25日、近く中国運輸局に航路廃止届を提出し、6月30日限りで運航業務を停止すると発表した。06年の「しまなみ海道」(西瀬戸自動車道)の全線開通や燃料高騰に加え、景気対策として今春から高速道路に導入されたETC(自動料金収受システム)利用車の特別割引が決定的な打撃となったとみられる。
こちらは船なので渋滞こそ関係しませんが、道路が安くなって船積みの手間もなくなればフェリーに車を積むお客さんは道路に逃げる。

「景気対策」名目であれば、その対策が悪影響をもたらす、ということは可能な限り避けなければいけません。メリハリの付いた財源使用も大事ですが、「橋を作ったからフェリーは要らない」というのであればフェリーの撤退支援・従業員の雇用確保も考えてあげる必要があったと思います。それが出来ないのならば、公共交通利用客への運賃補助。こんな体たらくなら「究極のバラマキ・定額給付金」の方が公平ではあるなとすら思ってしまいます。

それともうひとつ。先の西鉄社長の会見の中で曰く
「環境問題の観点からも、おかしいのではないか」と不満をあらわにした。
とのこと。これには自分も同感です。いくら最近の乗用車が低燃費になってきたからといって、バス・鉄道などの公共交通機関には未だかないません。「1000円高速」の施策は「公共交通で担当できる部分を自家用車に任せる」ということになりエネルギー効率が大きく低下します。このような考え方と見ると、今話題の「エコポイント」も「エコノミーポイント」の略なんではないかとすら思ってしまいます(地デジ推進などもありますし制度自体は否定しませんが)。

「渋滞を引き起こして道路の必要性を訴え建設を進め、一方で自動車を作って買ってもらう」という考え方なのでしょう、景気対策としては。だが不景気のときこそ変革のチャンス。ソーラーパネルや農業の育成に努め、公共交通機関(特に設備を自前で持つことになる第1種鉄道事業者)に適切な支援を行うことで景気と環境の両立はきっと出来るはずです。

なにしろ民間会社がどれだけ儲からないものに手を出さないか、って、冒頭の某H日本旅客鉄道、盛岡-宮古間でスピード・運賃はバスとほぼ同じなのに増発投資をしないことで事実上負けを認めている、ってね…。

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京急バスと上田電鉄(元東急の車両)に乗れるJR東日本の切符
以前「「1000円高速」の生んだ不景気」という記事で中長距離公共交通機関の危機感について書きましたが、JR東日本が対抗策を打ち出しました。 ...続きを見る
館長の不定期記
2009/06/10 22:51

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
赤字ローカル線支援やLRT建設など、国の公共交通支援は無いわけでは無いのですが、諸外国と比べたらまだまだ制度が不十分なところがあるようにも思えます。

高速道路や国道よりも整備新幹線や在来線高速化、ローカル線支援などに予算を振り向けた方がよっぽどエコになるよなぁ、と感じた今回の高速1000円騒動でした。
astroboy-nj
2009/06/06 19:52
確かに、地方の交通支援は言い方は悪いですが「自治体が躍起になっている」という印象ですね。町の賑わいという観点から見ても、中心部での自動車は必要最低限にして徒歩・バス・LRTで移動できるようにした方が良いのではと感じます。

>エコ
その意味でも自動車は「走った分だけ税金」すなわちガソリン税アップの方がいいと思うんですけどね〜。十分なガソリン税があれば高速道路値下げもまだありなのですが。
なかたん
2009/06/06 20:08
連絡が遅くなりましたが、コメントを1件削除しました。

理由:ニックネームが不適切
コメントをいただけるのはありがたいですが、内容につきましても建設的なご意見をお願いします。
なかたん@管理者
2009/08/15 17:30

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